ユーティリティーバーは、画面に常駐し、いつでも必要な機能にアクセスできるSalesforceの効率的な活用のための機能です。
本記事では、ユーティリティーバーの基本的な概念から活用例、設定方法を詳しく解説します。
ユーティリティーバーとは
ユーティリティバーとは画面下部に必要な機能を常駐させておき、いつでも手軽にアクセスできるようにするための機能です。
ユーティリティバーには、下図のように複数の導線をタブで出しておくことができ、クリックすると画面が下から飛び出す形で表示されます。下図ではto doリストを表示しています。
ユーザーがどこのページを開いていても、常に追いかけてきます。
ユーティリティバーに設置できる機能は多岐にわたります。下図はユーティリティバーの設定画面で、追加できる機能をスクリーンショットしたものです。
リストビューやレポート、chatterなどの基本的な機能のほか、マクロや画面フローも設置できます。
なお、ユーティリティバーを使用する際に注意しておきたいのは、レコードIDについてです。通常、レコード詳細ページからtodoや画面フローを使用すると、現在開いているレコードのIDを自動的に渡して処理を行うことが出来ます。
ユーティリティバーの場合は、現在開いているレコードのIDが自動で次の処理に渡されません。
例えば特定の商談レコードに関連した日報を残す、というフローを設置する場合には、ユーティリティーバー上でまず商談を検索しなくてはなりません。それであれば商談レコード上に画面フローを設置した方がいい、ということになります。
todoなども同様です。例えばお客様から携帯に電話がかかってきたのでその履歴を残す際、ユーティリティバーが便利そうに感じます。しかし、ユーティリティバーを使ったとしても取引先責任者に紐づけるためにはユーティリティバー上で取引先責任者を検索しなくてはなりません。(CTI連携している場合は別として。)
一方でマクロはユーティリティバーからでも、現在開いているレコードに対して機能します。
ユーティリティバーの中でも機能ごとにバラつきがありますので、Sandboxなどでテストしてからリリースすると安心です。
ユーティリティーバーの設定方法
ユーティリティーバーを設定するためには、歯車マークから設定画面を開きます。左上の検索窓にアプリケーションと入力します。アプリケーションマネージャーを選択します。すると右側にアプリケーション一覧が表示されます。
ユーティリティバーはアプリケーション単位で表示・非表示を切り替えますので、設定を施したいアプリケーションをまずは選択します。画面右側に下向きの▼ボタンがあり、そこから編集を押します。
lightningアプリケーションビルダー画面が開きます。サイドメニューからユーティリティ項目(デスクトップのみ)を選択すると、ユーティリティバーの設定画面に行くことが出来ます。
「ユーティリティ項目を追加」ボタンを押して追加します。
ユーティリティバーの配置は、デフォルトの左下、もしくは「ミラー」(右下のことのようです)を選択することが出来ます。
※ユーティリティを表示したくない・非表示にしたい場合には、ここの画面上でユーティリティの「削除」ボタンを押して、消していけばOKです。
このあとの設定内容はユーティリティの種類ごとに異なります。
例1:レポートグラフを表示
下図はレポートグラフの場合です。どのレポートのグラフを表示するのかを選ぶだけなのでシンプルですね。
例2:画面フローを配置
ユーティリティに表示するテキストの変更は下図の画面から可能です。下から飛び出してくるパネルの幅や高さはフローは変えられます。
あとは対象のフローを選択して保存するだけです。(画面フローだけを使用できる)
なおrecordIdがあるのでフローにIDを渡せそうに見えますが、ダメでした。最初から固定値のIDを入れることは出来るようです。
画面フローのユーティリティバーがユーザーに表示されない場合には
フローの設置が完了し、アプリケーションへのユーザプロファイル割り当ても完了しているのに、ユーザーに対してユーティリティバーが表示されない場合があります。
その場合に多いのが、ユーザーがフローの実行権限を持っていないケースです。
その場合は下図のとおり、プロファイルから「フローを実行」をtrueにするとユーティリティが表示されるようになります。