アクションボタン(クイックアクション)の活用と設定|Salesforce

アクションボタン(クイックアクション)はとても簡単に様々な機能を呼び出し、ユーザーの利便性を高めることのできる強力な機能です。

この記事では、アクションボタンの基本概念や具体的な設定方法を解説します。

クイックアクションとは

アクションボタンとは、レコード詳細ページ上のボタンクリックひとつで、その時開いているレコードの情報をベースにして特定の機能を呼び出すことができる機能です。

例えば、レコード更新、レコード作成、フロー(⾃動化機能)の呼び出しをすることが出来ます。かつ、現在開いているレコードのSFIDをそのあとの処理に利用したり、現在のレコードの項目を差し込んで新しいレコードを作ったりできます。正式名称はクイックアクションといいます。

クイックアクション機能は昔からある地味めな機能なのですが、個人的には標準機能の中でも屈指の利便性をもっていると思います。

下図の赤枠部分がクイックアクションです。

アクションボタンの配置

クイックアクションの設定方法

オブジェクトマネージャから任意のオブジェクトを開きます。サイドメニューから「ボタン、リンク、およびアクション」を押します。右上の「新規アクション」を押すと、アクションの作成画面が開きます。

アクションへの導線

 

以下が使用できるアクションの種類です。

アクションの種類

標準機能で主に使⽤するものだけでも以下の種類があります。知っておきたい仕様をまとめています。

レコード作成

現在開いているレコードの関連オブジェクトを作成します。このとき作成するレコードには現在のレコードが参照項目に自動でセットされた状態になるので便利です。初期値もアクションで設定できるので、決まったロジックでレコードを作らせたいときに使用します。

 

レコード更新

現在開いているレコードを更新します。通常の編集と違うのは、項目を絞って編集画面を立ち上げられることです。

ユースケースとしては、商談を特定のフェーズにする前には埋めなくてはならない項目があるとして、入力規則で縛ることも出来ますが、エラーがなくなるまで項目を探して埋めるというのは若干ストレスだったりします。そんなとき、埋めるべき項目だけを出しておけると快適です。

下図はボタンにアクションを設定して、押下したときの画面です。

レコード更新アクション

また、レコードの更新はボタンを押さずとも最初から出しておくことが出来ます。どういうことかというと、下図の赤枠部分のように、通常のレコード詳細画面から切り出してレコード更新画面を表示しておけるということです。こちらを更新すると、当然ながら本来のレコード詳細部分も更新されます。

レコードに表示している項目が多すぎて、かなり下までスクロールしなくてはならず不便、という場合に使用するとよいでしょう。タブで切り替えて表示するようにし、タブの表示ラベルをセクション名などにしておけば、スクロールを減らせます。

レコード更新アクションをページ上に配置

 

メール送信

メールを送信する際にFROMやCCの設定をデフォルトで設定したい場合があります。その際にこのアクションを使用するのが最も簡単な解決策になります。ほかにも本文を差し込んでおくことも可能です。

 

活動の記録

活動を登録します。通常の活動があるからこんなのいらない、と思うかもしれません。ただし標準の活動はグローバルアクションであり組織全体の活動の表示が変わります。こちらの活動はオブジェクト固有の設定で活動に出す項目や初期値を変更できる、という利用価値があります。

また、挙動としてはボタンではなく以下のようになります。下図の「活動記録」はアクションで作成したものですが、標準のグローバルアクションの「活動の記録」と同列に表示されます。

活動アクション

 

フロー

画面フローのみ呼び出すことが出来ます。

アクションの種類と名称を定義する

具体的な設定方法としては、「アクション種別」を選んで、表示ラベルや名前を決定することが基本となり、ほぼそれのみです。

下図のレコード作成の場合は、作成対象のオブジェクトを選択する必要があります。

レコード作成アクションの定義画面

 

下図のフローの場合は、どの画面フローを起動するのかを選択します。

フローアクションの定義画面

アクションの項目レイアウトや初期値設定

アクションの種類と名称を定義して、保存ボタンをしたら、次にレコード作成や更新の場合はレイアウトを設定していきます。

一度保存したアクションを探すには、オブジェクトマネージャーの「ボタン、リンク、およびアクション」を押して、一覧の中から開きます。

作成済みアクションへの導線

 

「レイアウトを編集する」を押します。

アクションのレイアウト変更への導線

 

あとは通常のページレイアウトと同じように並び替えが可能です。

セクションは設定できないという制約があります。

アクションのレイアウト変更方法

 

次に、初期値の設定方法を解説します。

定義済みのアクションを開いて、新規ボタンを押します。

アクションにデフォルト値を設定する導線

 

すると以下のように特定値か数式を入れるための画面が表示されます。

特定値は選択リストの値を入れるときに使用します。数式はカスタム項目を作成するときの数式と同じで、参照先のオブジェクトの値も引っ張ってこられます。

アクションにデフォルト値を設定する方法

アクションボタンを表示する

設定の仕上げとして、アクションボタンを表示する方法を解説します。

オブジェクトマネージャーから、アクションを表示したいページレイアウトを選択します。

アクションを表示する導線

 

ページレイアウト編集画面を開いたら、「モバイルおよびLightningのアクション」を選択します。すると作成済みのアクションが表示されますので、ドラッグアンドドロップで下図の下側の赤枠位置に移動させます。このとき、後ろの方に配置するとでてこない恐れがあります。その場合は前の方に持ってくれば表示されます。

アクションを表示する方法

 

また、もし上記の画面が出ずに以下のようになっている場合は、右端のレンチマークを押せば表示されます。

アクションを表示できないときの対処法

 

さらに、レコード更新アクションの場合にアクションをレイアウト上に最初から出しておく方法を紹介します。lightningレコード編集ページを開き、「関連レコード」コンポーネントを設置します。右側のメニューからアクションを選択すればOKです。

※lightningレコード編集ページの操作方法についてはこちらの記事で紹介しています。

アクションをLightningレコードぺ時に表示しておくやり方

まとめ

アクションボタンの基本知識と、仕様や活用イメージ、具体的な設定方法を解説しました。ご覧いただいた通り、アクションの設定はとてもシンプルなものですが、使いこなせばユーザーの利便性はかなり向上する、コスパのいいカスタマイズだと思います。ぜひ積極的に活用していきましょう。