Salesforceの導入を成功させるためには、適切な支援ベンダーを選ぶことが重要です。本記事では、日本でトップクラスのSalesforce導入支援ベンダー10社を紹介し、それぞれの強みや特長を解説します。
Salesforce導入支援ベンダーを選ぶポイント
Salesforceの導入支援ベンダーを選ぶ際は、自社のニーズに合ったベンダーを選ぶことが重要です。
今回Salesforce導入支援ベンダーTOP10社を選定するにあたり、Salesforceの公式サイトであるappexchangeの「コンサルティングパートナー」を参考にしています。コンサルティングパートナーとは文字通り、Salesforce製品の導入や保守を事業としておこなっているSIerを指します。
※appexchangeとは一般的にはSalesforce用の機能拡張アプリを購入できるマーケットプレイスとして認知されていますが、コンサルティングパートナーを紹介することにも多くのページ数を割いています。
appexchangeの「コンサルティングパートナー」ページで特に着目すべきは、以下の3点です。
- 市場からの評価
- 製品・業界知識
- 資格保有者数
それぞれ詳しく解説していきます。
市場からの評価
Salesforce導入支援ベンダーを選ぶ際にまず注目したいのが、ベンダーの市場からの評価です。評価は5段階の星で表現され、レビューと正式な満足度調査CSAT(Customer Satisfaction)で行われます。
CSATはコンサルティングパートナーごとの独自調査ではなく、顧客側企業にSalesforce組織IDを入力して回答してもらう公式な調査になりますので、ごまかしの効かない評価であると言えます。
レビューは以下のようにappexchange上で公表されており、透明性が高いです。
製品・業界知識
Salesforceには、Sales CloudやService Cloudなどの他にも、WEBサイトを作れるExperience Cloudや、データ分析機能をもつCRM Analyticsなど、複数の製品群が存在します。
自社がこれから導入予定の製品に精通していることはもちろんのこと、先々で使っていきたいソリューションに詳しい企業を選定した方が良いでしょう。
導入後の運用保守から別企業に依頼することは、スイッチングコストが大きいためあまりなく、導入のコンサルに入ったベンダーにその後も保守を継続依頼することが多いです。
従って最初からケイパビリティの高いベンダーを選んでおいた方が得策と言えます。
導入ベンダー別の製品軸の専門知識(appexchangeから参照可能)
業界の専門知識も可視化されています。いくら評価が高い企業であっても、自社の属する業界知識が全くないとすると、ベンダーにインプットする工数がかかってしまいます。また、業界の暗黙知をもってシステム設計することが難しくなります。
導入ベンダー別の業界軸の専門知識(appexchangeから参照可能)
Salesforceコンサルティングパートナーの専門性マップはこちらの公式サイトでも分かり易く公開されていますのでご覧になってみてもよいかと思います。
資格保有者数
Salesforceには製品別に様々な認定資格があります。資格保有者数とは、下図に表される該当の資格を何名の社員が保有しているか?という指標になります。
導入ベンダー別の認定資格保有者数(appexchangeから参照可能)
見方としては、1名の社員でCRM関連資格とコンサルタント関連資格を両方保有していたらどちらにも1カウントされます。
Salesforceの機能は領域ごとに非常に多岐に渡るため、必要とされる知識が細分化されています。資格保有者の数が多ければ多いほど、ベンダーの社内で各領域の有識者が担保されている形になりますので、何か開発上の壁にぶつかった時に突破できる可能性が上がると言えます。
Salesforce導入支援ベンダー日本のTOP10社を紹介
それではここからは、appexchangeの「コンサルティングパートナー」に公表されている公式情報を基にして、「Salesforce導入支援ベンダー日本のTOP10社」を紹介していきます。(調査内容は記事掲載2024/8時点のものです)
検索条件は、以下の通りです。
- 地域が日本の企業
- 認定資格保持者数が201名以上
- 評価が5段階中4以上
株式会社電通デジタル
- 「 Japan Partner of the Year 」Marketing Cloud部門で4年連続受賞
- Marketing Cloud導入に強み。支援社数90社以上。
- Salesforce 認定資格保有数230名以上
電通デジタルは、国内最大規模の総合デジタルファームです。主要株主を見ると株式会社電通グループが75%、株式会社セプテーニ・ホールディングスが25%の株式を持ちます。このことからもマーケティング領域に強みを持つことがうかがえます。
所在地:東京都港区東新橋1-8-1 電通本社ビル
株式会社フレクト
- 「Japan Partner of the Year」をMuleSoft部門で受賞(MuleSoftはAPI連携プラットフォーム)
- Salesforce×Heroku / AWSを用いたマルチクラウドの開発に強み
- 「Salesforce Data Cloud」の導入支援を開始
クラウドインテグレーション事業を担う同社は、MuleSoft導入支援を通じたAPI連携に代表されるような、データのシームレスな統合を通した顧客体験の向上・企業のDX支援を行っています。
東京都港区芝浦1丁目1番1号 浜松町ビルディング11F
アビームコンサルティング株式会社
- 「Salesforce Partner Award」にて「Industry of the Year<Retail & Consumer Goods> 」を受賞
- アジア発のグローバルコンサルティングファーム
- Salesforce 認定資格保有数280名
総合コンサルティングファームであるため営業改革・店舗施策の改善などの知見とSalesforceの様々なソリューションを掛け合わせて業務・組織設計やシステム導入までのプロジェクト推進を一貫して担うことが期待できます。
東京都中央区八重洲二丁目2番1号 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー
サークレイス株式会社
- 「FY24 Instructor Award」で「Best Instructor賞」/「Trailblazer賞」を受賞
- 人材ビジネスのパソナグループとコンサルティング会社であるTquila International社の合弁企業として設立
- Salesforce導入支援だけでなく保守を通じた「運用・定着化」に強みを持つ
製造・保険をはじめとしたさまざまな業種の大手から中堅企業までを幅広く支援し、1000社を超える運用支援実績を持ちます。「Salesforce 生成AI & Salesforce Data Cloud PoC(概念実証)支援パッケージサービス」などSalesforceをさらに活用するための運用支援サービスが特徴的です。
東京都中央区京橋1-11-1 関電不動産八重洲ビル 4F
株式会社テラスカイ
- Salesforce Japan Partner Award 2024において「Industry of the Year 」受賞。
- 同じく2024年「Emerging Technology of the Year」を受賞。
- 「mitoco ERP」というSalesforce上で動くクラウドERPなど自社製品を展開。
クラウド専業のシステムインテグレーター「クラウドインテグレーター」として創業し、Salesforce導入支援において、グループ全体で16,000件の導入実績を持ちます。グループには、AWSとSAPを専業とする企業が属するため、各クラウドプラットフォームの導入に関するノウハウを統合した支援が受けられそうです。
東京都中央区日本橋二丁目11番2号 太陽生命日本橋ビル 15~17階
株式会社セラク
- 「Salesforce Partner Summit 2021」において「Top Certification of the Year」を受賞
- SESに強み。(常駐・リモート派遣)
- 全国400社以上のSalesforce導入・活用支援実績
定着・活用支援に特化したカスタマーサクセスのリーディングカンパニーとして知られる同社は、国内2社のみのカスタマーサクセス(サービス定着を支援)のSalesforce社公式パートナーです。活用相談室や人材教育プログラム、内製化支援等を行っているとのことです。
東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア 6F
株式会社アグレックス
- Salesforce Japan Partner Award 2024において「Customer Satisfaction of the Year」受賞
- TIS株式会社のグループ企業(出資比率100%)
- コールセンター・キャンペーン事務局等、顧客の業務運用支援に強み
同社の事業はBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)、SS(ソフトウェアソリューション)、SI(システムインテグレーション)を柱としています。大量のデータを抱える企業の煩雑な業務処理を一手に引き受けるアウトソーシングビジネスを中心に事業を展開し、その後システム開発・運用へとその領域を拡大してきた企業です。
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティビル38F
富士通株式会社
- Japan Partner of the Year (Consulting Partners)を2024年受賞
- 10年に渡りPartner of the yearをはじめ11度のアワードを受賞
- 日本パートナー最多クラスのエキスパート認定
潤沢な体制とサービスをもち、「導入準備サービス」、「戦略立案サービス」、「Salesforce導入支援サービス」、「Salesforce活用安心サービス」という4つのフェーズに分けて、Salesforceの導入準備から定着化までをワンストップで提供する としています。
東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
株式会社日立ソリューションズ
- Salesforce Japan Partner Awardにおいて「Support of the year」受賞
- 導入実績は国内200社以上・Salesforceエキスパートは100名以上
- 日立グループの多角的・総合的なソリューション提供体制
これまで200社以上のSalesforce導入実績があるため、その実績とナレッジのもと、企画段階から設計、導入、運用に至るまで、整理されたフレームワークが用意されています。各フェーズにおいて抜け漏れのない導入が実現できそうです。
東京都品川区東品川四丁目12番7号
日本電気株式会社
- Salesforce Partner Awardのうち「Industry of the Year 」を2023年受賞
- NEC Salesforce運用支援サービスを提供
- NECが提供する幅広いCRMサービス・製品
顧客の課題の中で、Salesforce単体を導入するだけでは解決できないものに対して、様々な要望に応える幅広いCRMサービス・製品を取り揃えているとのことです。NECとSalesforceが連携し相互に強みを発揮することで、相乗効果の高い課題解決型のソリューションを提供できる としています。
東京都港区芝5-7-1
まとめ
最適なベンダー選びが成功の鍵
Salesforceの導入を成功させるためには、自社に最適な導入支援ベンダーを選ぶことが非常に重要です。ベンダーの専門性や実績、提供するサービスの幅、サポート体制、そして費用対効果をしっかりと比較検討し、信頼できるパートナーを見つけることが、プロジェクトの成功への鍵となるでしょう。