Salesforceレコードタイプとは?使い方や設定方法を解説

Salesforceの取引先や商談などのオブジェクトを、オブジェクトは変えずに表示だけを用途に合わせて切り替えたいと思ったことはありませんか。

レコードタイプは、同一オブジェクト内の表示を、使用するユーザーの用途に合わせて出し分けて管理する機能です。この記事では、レコードタイプの基本的な概念や使い方、設定方法を詳しく解説します。

Salesforceのレコードタイプとは?

レコードタイプとは、一つのオブジェクトの中で、情報をグループ分けすることで、表示を最適化するための機能です。

例えば、商談オブジェクトの中で、レコードタイプを「コンサルティング商談」「サブスクリプション商談」のように分類することができます。

これにより、コンサルティング商談の場合に入力すべき項目をめとめて表示したり、反対に不要な項目は非表示にして、業務に特化した表示にすることができます。

以下の画面は、レコードを新規作成する画面です。複数のレコードタイプを作成しておくことで、どちらのレイアウトでレコードを作成するのか選択させる画面がポップアップするようになります。

レコードタイプ選択画面

レコードタイプで出し分けるのは、ページレイアウトだけではありません。選択リストの値や、フェーズ管理で使用するパス(矢羽根)を出し分けることも可能です。

レコードタイプの使い方

レコードタイプを使用することで、情報をグループ分けして表示を最適化することができます。それでは、具体的にはレコードタイプを使って管理できる対象としてはどんなものがあるでしょうか。以下にレコードタイプの主な使い方を詳しく纏めました。

ページレイアウトの出し分け

ページレイアウトの画面

レコードタイプを利用することで、ページレイアウトの出し分けが可能です。
レコードタイプごとに異なるページレイアウトを設定できるため、同じオブジェクトでも、チームや業務内容に応じて表示する項目やレイアウトを変更できます。例えば、営業チームには営業活動に関連する情報を、サポートチームには顧客サポートに必要な情報を表示するように設定することができます。

ページレイアウトとは項目の並びや表示・非表示を管理するための機能です。

選択リスト項目内の選択肢を出し分け

選択リスト値の画面

レコードタイプを使用することで、同一の選択リスト項目内で、レコードタイプ別に表示する選択肢を出し分けることが出来ます。
たとえば商談において、あるレコードタイプではコンサルティングメニューの選択肢を表示し、別のレコードタイプではソフトウェア製品の選択肢を表示するといった設定ができます。
つまりレコードタイプ甲では選択肢A,B,C、レコードタイプ乙では選択肢D,E,Fしか表示しないということができます。

フェーズ管理の出し分け

フェーズ画面

レコードタイプを利用することで、商談フェーズやサポートケースのステータスなど、異なるビジネスプロセスを設定することができます。これにより、組織内の各チームが自身の業務フローに最適化されたプロセスを使用でき、業務の効率化が図れます。

プロファイルによるレコードタイプアクセス管理

レコードタイプ×プロファイル画面

レコードタイプは、ユーザープロファイルごとにアクセス権限を制御することができます。これにより、どのユーザーがどのページレイアウトや選択リストにアクセスできるかを詳細に設定することが可能です。たとえば、管理者のみが特定のデータにアクセスできるように設定したり、一般ユーザーには必要最低限の情報のみを表示させるようにすることができます。

レポートのグルーピングや絞り込み条件

レコードタイプでレポートグルーピング画面

レコードタイプを活用することで、特定のレコードタイプに関連するデータのみを表示するレポートやダッシュボードを作成できます。これにより、業務ごとに必要な情報をすばやく確認できるようになります。

APIでの処理

レコードタイプは、APIを通じて参照することが可能です。これにより、特定のレコードタイプを指定してデータの取得や更新を行うことができます。外部システムとの連携や、複雑な自動化プロセスを構築する際にも役立ちます。

フローの分岐

Salesforceのプロセスビルダーやフローを利用する際にも、レコードタイプを条件として設定することができます。これにより、特定のレコードタイプに基づいた異なるアクションを自動で実行することが可能です。

レコードタイプの設定方法

次に、レコードタイプの設定方法を解説します。
ここではレコードタイプを作成する方法や、ページレイアウトや選択リストへの適用方法までを解説していきます。

レコードタイプを作成する

オブジェクトマネージャーから目当てのオブジェクトを選択した後、サイドメニューからレコードタイプを選択します。新規ボタンを押下します。

レコードタイプを作成する1

 

以下の設定画面が出ますので、必要情報を入力します。設定した内容はすべて、あとから変更可能です。

「既存のレコードタイプからコピーする」を選択すると、コピー元のレコードタイプですでに選択リストの値などを出し分け設定している場合には引き継ぐことができ、効率的です。

表示ラベルとレコードタイプ名については適宜入力します。

セールスプロセスは、商談フェーズの矢羽根、パスのことです。

「有効」にチェックして下にスクロールします。

レコードタイプを作成する2

 

次に、このレコードタイプを使用できるプロファイルを適宜選択します。最下部までスクロールし、次へを押下します。

レコードタイプを作成する3

 

このレコードタイプの場合×プロファイルの組み合わせで、ページレイアウトの出し分けを設定します。

ここで「1つのレイアウトをすべてのプロファイルに適用する」を選択すると、誰がレコードを表示しても同じページレイアウトが表示される形になります。

最下部までスクロールし、「保存」を押せばレコードタイプの作成は完了です。

間違って作ってしまったときは、いったんレコードタイプを無効化してから削除することが出来ます。

レコードタイプを作成する4

 

レコードタイプ別に選択リスト値を割り当てる

レコードタイプ別に選択リストの中身、選択リスト値を変更する方法を紹介します。

オブジェクトマネージャーのメニューからレコードタイプを選択し、編集したいレコードタイプを選択すると、以下の画面が開きます。赤枠で囲った箇所で選択リスト値の割り当てをおこないます。

選択リストの「編集」を押します。

レコードタイプ別に選択リスト値を割り当てる1

 

下図の画面が開きます。

左側の選択ボックスから、右側の選択ボックスに値を移動させることで、選択リストに表示します。非表示にしたい場合はその逆です。

また、それらの選択ボックスの下部には「デフォルト」を選択するボックスがあります。レコードタイプごとに選択リストのデフォルト値をあらかじめ設定しておける機能です。

レコードタイプ別に選択リスト値を割り当てる2

 

レコードタイプ別にページレイアウトの出し分けを設定する

レコードタイプ×プロファイル別にページレイアウトを出し分ける設定を一括して行う方法を紹介します。

オブジェクトマネージャーのメニューからページレイアウトを選択し、ページレイアウトの割り当てを押下します。

レコードタイプ別にページレイアウトの出し分けを設定する1

 

次に以下の画面が表示されます。見方が若干わかりづらいので補足します。

赤枠左側がプロファイルです。右上がレコードタイプです。右下がページレイアウトです。

横軸のプロファイル×縦軸のレコードタイプの交点にあるページレイアウトが、対象のプロファイルに表示される仕組みになっています。

設定を変更するためには、上部にあるボタン、「割り当ての編集」を押します。

レコードタイプ別にページレイアウトの出し分けを設定する2

 

すると、下図のような編集画面になります。手順は以下の通りです。

  • ①ページレイアウト領域から、変更したいレイアウトを選択します。この時、CtrlやShiftを押しながらクリックすることで、複数選択が可能です。
  • ②「使用するページレイアウト」から、①で選択したページレイアウトを何に変更したいのかを選択します。

最後に保存ボタンを押せば完了です。

レコードタイプ別にページレイアウトの出し分けを設定する3

レコードタイプTips集

最後に、レコードタイプを使う上での小ワザを紹介していきます。

レコードタイプのSalesforce IDはどこで見る?取得方法を紹介

レコードタイプIDを見つけるには、若干わかりづらい場所にあるのですが、以下の経路をたどります。

設定>オブジェクトマネージャー>レコードタイプを押す

そのうえで任意のレコードタイプを選択した状態が下図の画面です。URLの下図赤枠部分がSalesforce IDになります。

レコードタイプのSalesforce ID

レコードタイプを切り替える方法

レコードタイプを手動で切り替える方法は2種類あります。ページレイアウトに出ていれば、下図のような項目が存在します。

レコードタイプ変更項目

編集を押すと、下図の画面が立ち上がります。ここで変更可能です。

レコードタイプ変更画面

もう一つは、画面右上のアクションボタンに出ていれば、アクションから変更可能です。

レコードタイプ変更アクション

上記2か所に出ていない場合は、ページレイアウトを編集して、表に出す必要があります。

この他にも、フローでレコードタイプを切り替えることも可能です。

レコードタイプの選択画面が出ない場合の対処法

レコードタイプが対象のユーザーのプロファイルに割り当てられていない可能性があります。

設定画面の左側の検索窓から、プロファイルと入力し、プロファイルを開きます。そして、該当のプロファイルを選択し、開きます。

するとプロファイルの制御情報が並んだ画面が開かれます。下の方にスクロールすると、「レコードタイプの設定」というセクションがあります。これが結構見つけづらいのです。

レコードタイプの選択画面が出ない場合の対処法1

レコードタイプの設定セクション内で、該当のオブジェクトの位置までスクロールしてみてください。するとレコードタイプを選択できそうな箇所がありますよね。ここで選択してあげることで、レコードタイプ選択画面にレコードタイプが出てくることが多いです。

レコードタイプの選択画面が出ない場合の対処法2

レコードタイプ選択画面の表示順を並び替えたい

レコードタイプを複数選択すると、レコードを新規作成する際に下図のような選択画面が表示されます。

設定画面で順番を並び替えられれば良いのですが、そういった機能は仕様としてありません。

よくある課題として、日本語でわかりやすいレコードタイプを表現したら、並び順がぐちゃぐちゃになって見栄えも使い勝手も悪い、ということがあります。

その場合にはレコードタイプの表示ラベルの頭に「01.」とナンバリングすることで順番を制御することが出来ます。

レコードタイプ選択画面の表示順を並び替えはナンバリングが必要